STORY あらすじ

この『ウェスト・サイズ・ストーリー』は
『ウエスト・サイド・ストーリー』に憧れた世代が、
半世紀の時を超え、今のウエスト・サイドを舞台に作り上げた、
オリジナルミュージカルである。

ニューヨーク・ウエストサイド。

今から半世紀前。ここには次々と移民が入り込み、移民同士の対立は、2つのハイティーンギャング団を作り出した。その2つのグループは街の中心にあるバスケットコートで日夜小競り合いを繰り返していた。友情、嫉妬、恋愛。まるでロミオとジュリエットのような禁断のラブロマンスがきっかけとなり決闘へと発展。3人の少年がここで命を落とした。

あれから半世紀
2015年 NEW YEAR。

町はずいぶんと小綺麗になり、少しは安心して歩けるほどになった。
そして、その当時の象徴だったバスケットコートには、1年前、立派な老人介護施設『ウエスト・サイド・オールド・ホーム』が完成した。
そこでは100名ほどのお年寄りが、楽しく余生を過ごすはずだった。
しかし……。

1年前ここに集まったのは、昔この界隈で敵対していた『ジャガー』と『ウルフ』というギャング団の元メンバー達。
やがて、半世紀の時を越え『ジャガー』と『ウルフ』の因縁の抗争劇が再燃。
2つのギャング団が再結成された。
『ジャガー』のリーダーには、男勝りのアニーが名乗りを上げ、
『ウルフ』のリーダーには、死んだ元リーダー・レオナルドの妹・ナオミが担ぎ出された。

それからというもの、70歳前後のお年寄り達が小競り合いを繰り返す毎日。ちょっとしたきっかけで、いつ大ごとになるか分からない。ホームの治安を預かる介護士達もピリピリしている。
それを、天国から見守っていたのは半世紀前の抗争で命を落としたトミー、レオナルド、ジェフ。あの時は、トミーとナオミが恋に落ちた事で、レオナルドとジェフの対立が激化し、決闘の末、3人が天国行きとなった。
そんなトミーのナオミへの思いは未だ変わらず、ナオミもまた、トミーを忘れられずにいる。
そんなナオミに求愛し続ける許嫁(兄が決めた)のウノ。ウノは気のいい男だが、半世紀前、レオナルドへの忠誠心とナオミへの嫉妬心からトミーを殺害、数年前、ようやく出所した。

そんなある日、ホーム開業1周年を祝ったパーティーが開かれる事になる。
そのため、自分たちの存在感を誇示しようとダンスの稽古にも熱が入り、一触即発。

これがきっかけとなり、両ギャング団の命をかけた決闘へと発展していく。
それを見ていた天国のトミー達は、二度と同じ悲劇を起こさせまいと下界を目指す。

その頃、下界では、すでに戦いが始まり、アニーとニーナがナイフを構えていた。
いい歳をして暴走する仲間たちを止めようとするナオミだが、同調するものは誰一人としていない。
その時、ホーム長・ダッドが現れ、今からパーティーを始めると言い出す。
ダッドは言う「歌とダンスで、因縁の抗争に決着をつけてはどうだ」

さて、この勝負、どちらが勝つのか? 
トミー達は間に合うのか?
そして、ナオミとトミーの恋の行方は?